HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~



朝までぐっすり、スッキリ起きた……


筈だったけど、


寝坊した…


デジタル時計が7:30を示していて「ありえない!」て叫んだのは言うまでもない。


制服に着替えて慌ただしく歯を磨き顏を洗って身支度していると


「珍しいな~お前が寝坊とか」と明良兄が大きな欠伸を漏らしていて


「お兄こそ、眠そうだよ。てか起きてたんなら起こしてよ」


「お前のことだからもう起きてると思ってた。俺は徹夜。不審者が侵入してきたりして、いざ!ていうとき眠りこけてたら役に立たないだろ?」


「徹夜!ごめんね、お兄」謝ると


「いいよ、今日は3コマ目から講義だし。昼近くまで寝れるから、と言うことでおやすみ~」


と言って明良兄はごそごそと毛布を被るとソファに横たわった。こういうとき大学って便利だよね。取る科目で調整できるから。なんて思ってると


それと同時に、ピンポーンとインターホンが鳴って、寝る態勢に入っていた明良兄がガバっと起き上がったけれど、誰が来たのか予想がついていたあたしが応答すると、案の定、久米だった。


「おはよう、鬼頭さん。迎えにきたよ」と朝から無駄に爽やかを振りまいている久米の、平和そうな笑顔を見てちょっとため息。


「ごめん久米、あたし今日あんたの隣に並べない」と眉を寄せると久米は目をぱちぱち。目が「何で?」と語っている。


「あたし髪何にもしてないし、ボサボサだし…」あ、お弁当も作ってない。


そんなことを思っていると、何の前触れもなく久米の手があたしの髪に触れた。


「全然大丈夫だし。鬼頭さんはどんな鬼頭さんでも可愛いよ」とキザな台詞を口にしてあたしの髪を撫で梳く。


普通の女子なら一発KOな言葉と笑顔。でも生憎あたしは『普通』じゃないみたい。


水月からそう言って貰えたら、それこそKOなのに…


なんて考えてる暇もない。遅刻しちゃう。