■Chairs.15



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久米の家はあたしの家の割と近く…あたしの家から歩いて15分てところか。


の所にあった。


こざっぱりとした一軒家で、あまり特徴がないと言えばそう言える。


父親が病院経営してるって言ったからさぞや立派な家かと思いきや、言っちゃ悪いがふつー。


真新しくもないし、かといって古過ぎることもない。


アイアンの細工が施してある門扉から庭がちらりと見えたけれど、殺風景な上あまり手入れされてない。


「殺風景だと思った?」


あたしの考えを読んだのか、久米がぼんやりと庭に目を向けていたあたしの方を振り返ってちょっと笑った。


あたしはそれに何も答えずに軽く肩をすくめると


「男二人暮らしだし、こんなもんだよ」と久米は小さく笑う。


「あたしだったら花を植えるね」


そう言ってやると、


「花?どんな?」と久米がさらに質問してくる。


あたしは久米の顔をまっすぐに見つめて薄く笑った。





「血のように赤い―――真紅の薔薇を



庭一面に」