早坂は、恐縮しながら煙草を、吸う。

ママが顔を赤らめて言う。

「私なんて改造されたのこの部分だけよ。そりゃ最初は良かったわよ。珍しがってお客も、来たけど、今じゃ変人扱いよ。こないだなんて知らないうちに、火が出ちゃってアパートボヤ騒ぎよ!オイルの補充も大変だし、だんだん関節の所が緩くなってすぐに、ハズレて、火が出ちゃうから。毎日ドライバーで締めてんだから、私は、改造されて今年で丁度30年よ。偉そうにもう、あんたは。」

「ママそんなに言うなよ。俺と高田で上手く改造し直してやるって言ってるじゃないか。」

早坂が、口を尖らせてすねたように言い返す。

「馬鹿ねぇあんたと、高田ちゃんに改造されるとどうなるか、イヤだよ。」

ママは、怒って言い返す。

「ママそうだけどね。俺達コッカーの改造人間マニュアルブック持ってるんですよ。」

「でも、それって初版が昭和45年でしょ。それから、その初版しかないみたいじゃない。古すぎよ~」

貴子が、笑いながら、言った。