目が覚めてもあたしは泣いていた。 心は満たされていた。 ガラッ、病室の扉が開く。 「おはよう!真帆!」 母親が無駄に元気に入ってきた。 「おはよう‥」 珍しく挨拶を返した真帆に、母親はきょとんとして真帆を見た。 「…どうした?何かあった?」 なんだかぼぅっとしている真帆の額に手を当てる。 「熱は無いみたいだけど‥」 不思議そうに呟く母親の腕をガシッと掴み、目を丸くする母親に向かって真帆は叫んだ。 「お母さん!あたし、恋がしたい!!」