「香水‥?」 「そう、あなた欲しがってたでしょ?」 シュッ、香水をふると、甘くてフルーティーな匂いがした。 自然に笑みがこぼれる。 「お母さん、ありがとう。」 最高の言葉を受け取った母親は、幸せそうに微笑んだ。 その横で、真帆は長い間引き出しにしまっていたメイクポーチを引っ張り出し、化粧を始めた。 色んな角度から鏡とにらめっこをする真帆を、母親は可笑しそうに笑うのだった。