そして、事件は起きた。 わたしは、いつもより少し遅れて屋上に上がっていった。 何気なく、いつもの場所へ目をやった時。 城山さんと桐生くんのくちびるが、一瞬重なっていたのを目撃してしまったのだ。 本当にそれは一瞬の出来事だったけれど、わたしは確かに見てしまったのだ。