俺にできることはないってわかってた。そんなこと、行く前からわかってたことだ。


それでも行って、何を今更落ち込んでんだよ。


誰にも会いたくないって言ってたじゃないか。

それを病室までノコノコ行って、挙げ句に『会いたくない』とも『二度と来るな』とまで言われ。

時計まで投げつけられる始末…。


本当にバカだな、俺…。


たかだか1〜2回、一緒に飯食って話しただけの俺が何を勘違いしてたんだ。


身の程知らずの恥ずかしさと、どうにもならない現実を知った俺は深いため息を吐き出して、漸く自分の中で燻っていた気持ちに踏ん切りをつける決心した。


もう…、忘れよう。


もう彼女と関わることはない。あの店で会うことも…きっともうない。


もう俺には…関係ない。


もう…終わったんだ…−−−。