「おい!目があって知らんぷりは、ねえだろう!」
一人の、金髪が言いながら良一の胸ぐらを、掴んでいた。
三人共今どき、珍しい学ランだった。
加奈子は、そこに、ツカツカと歩みよって行った。
残りの二人のうち一人は、茶髪をロングにしてドレッドにしたのと、もう一人は、スキンヘッドだった。
スキンヘッドが、ニヤニヤしながら、見ていた。
一番身体も大きい。これが、ボスだろうと思った。
良一は、運動神経はいいがこういう度胸はまるでなかった。
怯えた顔をしながらすいませんすいませんと、謝り続けていた。
加奈子は、スキンヘッドの前に立つと言った。
「やめてくれないとヒドイ目に会うわよ。」
加奈子は、良一よりは度胸があったが、まさか自分がそんな風に言うとは思ってなかった。
正義の心かと、思った。
確か改造した時に正義の心も入っていたはず。
良一の、胸ぐらを、掴んでいた金髪が言った。


