風都side


痛がる声がして、リビングに戻ると、蹲っている慶がいる。


「どうした?」


声をかけると、パッと上を向き叫びだした。


「お前の姪、俺の大事なとこ蹴りやがったぞ。御蔭で酔いも冷めたわ」


ぶつぶつ文句を言いながら、痛さに顔を歪めているのが、高瀬慶斗、通称慶。



「美夜に何かしたんだろお前」


「そりゃそうだけど…だからって蹴ることねーだろ」


ハハッと笑いながら、ソファーに座りテーブルの上に置かれた、料理を食べはじめた。



「お前心配くらいしろよ!! 呑気に食ってねーでよ」


横でブーブー文句を言いながら、酒を片手に料理を食いだした。


――なんだかんだ言って食うのかよ。


呆れながらも、それを横目に俺も料理を食べるのを、再開した。