風都side


さっきの一部始終を見ていた母さんが、いきなりパチンと手を叩いた。


「風都。今日から美夜ちゃん家に住むから」


「は?」


ニコリと嬉しそうに笑う母さんに訳がわからない。


―――だいたい美夜には姉さんがいるはずなのに。


「美里達“美夜をヨロシク”ってどっか行っちゃったのよ」


(笑)が、後ろに付くんじゃないかってくらいの感じで、話す母さん。


そんなんでいいのか?





美夜は美夜で家の中をキョロキョロと、見ている。


―――自分が置いて行かれたことに何とも思わないのか?


じーっと美夜を見ていると、こっちを向いた美夜と目があった。


――やっぱり姉さんの子供だな。似てる。


俺の姿を見ても怖がるどころか金色が綺麗とまで言ってきた。


なんて思っていると、美夜がこっちに歩いてきた。




「ねぇ、叔父さんて呼ばれるのと、風都って呼ばれるのどっちがいい?」