クールな彼氏【短編】




「んじゃ、邪魔ものは消えますっ」


「そ、奏太くんっ!」




ふたたび階段を降りようとした奏太くんを、呼ぶ。





「あのっ…本当にありがとうっ!

嬉しかった…っ!」


いろんな気持ちをこめてあたしがそう言うと、奏太くんはクスリと笑った。






「相良先輩っ!

河野先輩の、ほっぺチューはもらっちゃいましたからーっ!!」




「……は?」

「なっ!」





そっ、奏太くん!?




「じゃっ」



最後にニヤリと笑って奏太くんはそのままどこかへ行った。










「……あ、あのっ。

秋ちゃん…?」


「…何」


うっ…不機嫌……。





「いや…あの」


あたしを見る怒ってる目に、ついついあたしの目は泳いでしまう。





「…むかつく」