クールな彼氏【短編】





「えっ、あ、秋ちゃん!?」



驚いて秋ちゃんを見上げる。


なっ…だっ、だって今!

……“彼氏”って言ったよね?




え…な、何でぇ?





「…俺、別れるなんて言ってない」



「え!?だ、だって…っ!」

「何?」



ついつい黙ってしまうあたし。




…だって、秋ちゃん…
あたしの事好きじゃないんでしょ?




それなのに──…




「先輩。

彼女は、いないですか?」



あたしの気持ちを読みとった様に言う奏太くん。




「は?」


「教室で話してたじゃないっすか。

ね?河野先輩っ」


「うっ、うん」


あたしに同意を求める奏太くんに頷く。




そうだよ…


あの子はどうなったの?





「…ただの後輩だし」


「告られてましたよね?」

「………」