クールな彼氏【短編】




「あ、秋ちゃんっ!?」


びっくりしたと同時に体が固まる。



グイッと寄せられた体は、秋ちゃんの右側にぴったりとくっついていて、肩には秋ちゃんの腕。




「…っ」



…もちろん、こんな風に密着したのは初めてで、
胸が破裂しそうなくらいドキドキと鳴る。





「…ははっ。


河野先輩、俺、教室に戻りますね」


あたし達を見て笑うと、奏太くんはそう言って立ち上がった。



えぇっ!?




「あ、あの奏太くんっ!?」

「先輩っ。

またねっ」


「えっ、ちょ…へ?」



いきなりの奏太くんの行動に驚いて慌ててしまうあたし。



そんなあたしをよそに、奏太くんは階段を降り始めた。






…が、


「待てよ」


それを秋ちゃんが止めた。