クールな彼氏【短編】





「……そんなに相良先輩がいいんですか?」



その言葉に、こくんと頷く。



秋ちゃん“じゃなきゃ”ダメなんだ……。




「……彼女いるかもしれないんすよ?」



彼女。その言葉にズキンと胸が痛む。



「……それでも、あたしは…っ」


そう言った瞬間、更にギュッと強く抱きしめられた。



「そ、奏太くん…っ!?」

「………」



ギュッとあたしを抱きしめたまま、奏太くんは何も言わない。



…そ…うたくん?





「っ好きです」


その言葉に…その想いに、ズキンと胸が痛む。




「…ずっと見ててっ。


廊下でぶつかった時は…夢なんじゃないかって思いました…」



ギュッと力のこもる腕に、その想いに、涙が出ちゃいそうになる。



…あたしなんかの事なのに。