クールな彼氏【短編】




「…ごめんなさい」


ポツリと呟いた。



………あたしは、バカだなぁ。


秋ちゃんが、妬くなんてありえないのに。




…でもね、


「……っあたしは、秋ちゃんが好きっ。


秋ちゃんが、あたしを好きじゃなくても。

そばにいたい……」


どうしようもない程、秋ちゃんが好きなんだ。




あたしは…秋ちゃんじゃないとダメなんだ。




無口だし、
何考えてるか分かんないし、
しかも全然笑わないし、
あたしのこと好きでもないし、
ギューすらしてくれなかった秋ちゃんだけど。






でも、…それでも。




いつも“うん”と隣で相づちする秋ちゃんが、
歩幅を合わせて歩いてくれる秋ちゃんが、
“真美”と言うその声が、



あたしは大好き…っ。





「…本当にごめん」



秋ちゃん…。


あたしは秋ちゃんじゃなきゃダメなんだよ…。