前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



ふーんっと意味深に鼻を鳴らす鈴理先輩は納得しない声音で、「玲とずっと一緒だったのか」不機嫌に聞かれる。
 

ずっとじゃないけど、まあ一緒にはいたです…はい。

でも、それもしょーがないじゃないっすか、先輩は大雅先輩と一緒だったんだし、彼女に俺達の関係もばれちまったんだから。

関係を明かさない代わりに飯を一緒に食えって言われたんだ。
譲歩案としては良いものだと思ったんだけど。
 

それでもまだ不機嫌オーラを漂わせる彼女に、「怒ってます?」おずおず質問。


「怒ってないように見えるか?」


聞き返されて、俺はブンブンと力強く首を振った。

スンゲェ怒ってるように見えるっす。


…ふ、不可抗力ながらも、嫌な思いをさせてごめんなさいっすです、はい。


詫びてもムッとしたままの彼女は、「玲と噂になるなんて」そんなの許せるかと毒づき、逃げ腰になっている俺の体を引き寄せてくる。

そのまま肩口に顔を埋めてきた。サラサラとした絹のような髪が俺の肩口を擽る。


「噂であろうと、あんたはあたしのものなのに。玲と噂になるなんて屈辱だ。キャツに腰を触らせたなど、言語道断だぞ」
  

うーむ、超不機嫌だな。

これはご機嫌取りをしないといけない感じかな。
 

なので不貞腐れている先輩に、「俺。先輩だけっすよ?」などと少女漫画チックなことを言ってみる。

此処で可愛らしい女の子が言えばキュン、なんだろうけど…、大変遺憾な事に俺が言うとロマンチックもキュンチックもなにもない。


しかも勇気を振り絞って物申したのに、当然だと怒られてしまった。

うぬぬ、どうすればご機嫌を取り戻してくれるんだろうなぁ。あたし様は。 


……思い切ってセックスしましょう、とか?


いやいやいや!

そりゃ幾らご機嫌取りでもやっちゃあなんねぇぞ!

他にっ、他になにかないか!

受け男ができる、胸キュンなこと!

おにゃのこがやりそうなこと! 

俺がやったら吐き気ものだけど、鈴理先輩ならきっと喜びそうな胸キュンがなにかないか!