顔立ちだって完全男だと思うんだけど…、生まれて一度も女だと間違われたことはないし。
女扱いされることは高校に入ってから多々だけどさ、間違われたことはないよ。
れっきとした男だと申し出れば、「だがしかし」おかしいではないかと首を傾げられる。
ナニがおかしいのか俺には意味不明だ。
寧ろ、女だと間違われる方がおかしいんだけど。
「絶対におかしい」
独り言を漏らす御堂先輩は、女でなければ何故どうしてこんなにも嫌悪しないのだ。
何故自分は豊福を口説いたのだブツブツゴニョゴニョ。
変な人だな…、訝しげに御堂先輩を見ていると、「やはり女だろ?」ちょっと脱いでみせろと、作業の手を再開。
だ、だから俺は男なんだってっ!
誰がどう見てもっ、間違うことのない男っ…、ぎゃあああっ! なんでこの人、シャツのボタンっ、やめやめっ! 全力死守!
「ちょっ、何するんっすか! 逆セクハラ反対っすよ!」
「女々しいことを言うんじゃない。男ならばどーんと脱げる筈…、やはり君は…、だったら僕自身の説明もいく!」
「なにがどう説明がいくか俺に一から十まで説明して下さいっすっ!
俺は、お、お、男っすからぁああああ! こんなごっつい女がいたら、全国の女性の方々に申し訳ないっ、貴方様も力強いっすね!」
さすがは鈴理先輩と渡り合っている好敵手。
ほんっと彼女を思い出させるような力の強さ!
「脱げと言っているだろう!」
男のクセにみみっちいことを気にする奴だな、と悪態付かれる(こんな時だけ男扱いとか卑怯だ!)。
だがしかし、脱げと言われてこんなところで脱げるほど俺の肝も強くは無い。
「俺は男っす!」
貴方の大嫌いな男っすから、半泣きで訴えてみても、「納得がいかない」と突っ返されてしまう。
…っ…、俺の方が納得いかないんだってっ、なんでああなってこうなってそうなった! あばばっ…、御堂先輩っ、そうやってシャツ、引っ張らないで下さい!
ぼ、ボタン千切れたらどうしてくれるんっすか!
縫うのは俺なんっすからね!



