新たに皿とフォークを取って料理を取り分ける俺は、ふっと視界端に見慣れた人物を捉え、視線を上げる。
少し離れた丸テーブルに川島先輩の姿を見つけた。
豪快に笑って宇津木先輩、それから楓さんと談笑しているようだ。
盛り上がっているのか、バシバシ楓さんの背中を叩いて川島先輩は笑声を上げている。
えーっと二人があそこにいるってことは…、あ、会場の奥に鈴理先輩と大雅先輩の姿を見つけちまった。
まだ挨拶まわり、もしくは談笑をしているみたいだ。
なんだかお互い愛想笑いが見え見えで、早く離脱したいって表情をしてるけど…、ほんと絵になるよな。二人が肩を並べるとさ。
……おっといかんいかん、ネガティブになるところだった。ポジティブにいかないと飯が不味くなるよな!
「御堂先輩はもう大丈夫なんっすか? 財閥の皆さんに挨拶しなくて」
隣でデザートを取り分けている御堂先輩に声を掛けると、小さく頷いてきた。
「あらかたは挨拶したからな。女性限定だが」
ということは男にはしてないんっすね。
苦笑いを零した俺は自分と一緒にいて大丈夫かと改めて質問。何度も言うけど、俺も男なんだ。気分を害すようなら距離を取るつもり。
俺も悪く言われるのはヤだしな!
「君はいいんだ」
男という感じがしないから、と御堂先輩。
非常に複雑な事を言われて俺は顔を顰める。なんかあんま嬉しくない…、受け男でも一応男なんだけどなぁ。俺。
スモークサーモンをフォークで刺しながらぶすくれていると、「そんなに拗ねるな」襲いたくなるだろうと微笑まれた。
……襲いたくなる?
いやいやいや、フカヨミ乙だ。
言葉のあやだろう。俺はスルーすることにした。



