「男だから女だから、そんなこと気にしちゃやってらないっすよ…、鈴理先輩の彼氏は。
うふふっ、例え姫様抱っこされたとしても、女装されそうになっても、押し倒されてやっばい展開になっても、何があってもリード権は向こうにあるっす。
そう、俺にリード権なんて、リード権なんて…、ちょっちもないんっすから」
「……、豊福、目が遠いぞ」
「ああすみません。意識が向こうに飛んでましたっす。
とにかく、俺はこれでいいんっす。女性がリード権を持っちゃいけないって法律もないですしね」
男らしくないと言われれば、確かにそうなんっすけどね。
頬を掻いて誤魔化し笑いを浮かべる。
たっぷり間を置いて御堂先輩は「君は」本当に女を馬鹿にしない人種だな、と目尻を下げた。
なんで馬鹿にしなきゃいけないのか分からないけど、御堂先輩の男嫌いは何やらワケがありそうだ。
今は聞ける雰囲気じゃないけど、ひとつ言いたい。
俺は女って強いと思いますよって。
女は男よりも断然強い。
誇大に言ってるわけじゃないし、腕力とかそういう問題でもなくって、精神的に強いと思う。
なにより子供を産むってことができるんだ。
女は本当に強い。
母さんを見ていたら分かる。
気持ちを伝えると、「そうか」彼女は笑みを零した。なんだか嬉しそうな笑み。
これはお友達になれるチャンスかもしれないな。
やっぱなぁ、ギクシャクよりお友達になった方が何かと楽しいじゃんか。
大雅先輩とだって、本当ならライバル関係にあるけど、こうして友好関係を築き上げてるんだし、彼女とだって友好を深められるチャンスかも。
ということで、彼女と友好を深めるために御堂先輩と駄弁りながら二人で会場に戻る。
その際、彼女にひとつお願いをした。
俺と鈴理先輩の関係を会場では明かさないで欲しいと。
じゃないと、俺は勿論、鈴理先輩と大雅先輩の立場も不味くなるから。
快諾してくれた御堂先輩はその代わり、自分と食事を取るよう条件を付けてきた。
どうってことない条件だったから、俺も快諾。
一緒に立食することになった。



