「んじゃ、これからどうするか、一緒に悩むとしますか」
 


勢い良くソファーから飛び下りたイチゴくんが、二つも脳みそがあるんだし、話し合っていたらきっと良い案が思いつくと満面の笑みを浮かべた。


おざなりな台詞に思えるのに、どうしてだろう、酷く安心する俺がいた。


それだけ孤独だったのかもしれない。

誰か一人でも傍にいてくれると心強いな。


スンと鼻を啜る俺を余所に、「どうすっかな」イチゴくんが顎に指を絡め、部屋をぐるりと一望して思案。


天井の四隅まで視線を配った後、頭上に豆電球を明滅させて指を鳴らした。


「空。こういう時はリラックスすることが大切なんだぜ?」

「え、リラックス?」



「そうそう。まずは張り詰めた心身をリラックスさせる。これ大事。ということで準備しようぜ!」



自分の中で納得、行動を起こすイチゴくんに俺は慌てて後を追った。


「準備って?」疑問をぶつければ、「やっぱ浸かりたいもんな」と見当違いの返事をくれる。


だから何の準備をしようと……、え、まさか。


俺はドアノブに手を掛けて扉を開くイチゴくんの意図をようやく理解。


でも半信半疑だったから確認の意を込めて尋ねる。


そしたらイチゴくんはさも当たり前に、




「リラックスといえば風呂だろ?」


 

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