前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―

機転が利く奴なら即違うと返答して、逃げ道の弁を立たせるんだろうけど、生憎俺のスキル能力はそこまで達していなかったらしい。

肯定も否定も出来ず、完全に狼狽しておろおろ。
ヘタレ態度によって俺等の関係が肯定されてしまった。

「やっぱりな」

途中から薄々気付いていたと御堂先輩は微苦笑を零し、俺の額を指で弾く。
怒っている様子は無さそうだ。

 
「僕も鈍感じゃない。伊達に鈴理と付き合ってるわけじゃないからな。あいつは君ばっかり見ているし…、ちょっかいも出しているし…」


やっぱ先輩が俺にちょっかいを出したのがばれた原因だよなっ!

畜生っ、先輩の馬鹿。超お馬鹿!
好敵手さん、とても勘の鋭い人じゃないっすか!

ちょっかい出さなかったらっ、多分ばれなかっただろうにっ! あくまで多分っすけど!
 

「なにより、あいつの浮かれようを見ていたら、嫌でも気付くさ」
 
 
浮かれていたのか、鈴理先輩。
全然そういう風には見えなかったんだけど。

額を擦りながら目を丸くする俺に、「あいつはこういうパーティーには」能面になっていることが多いんだと御堂先輩は教えてくれる。


そっか、財閥のパーティーってことは間接的に鈴理先輩の御家族も関わってくるわけで…、鈴理先輩が最も重荷にしている家族問題が垣間見えるってことか。


先輩は家族内評価を凄く気にしている人だからな。


これ以上隠しても無意味だって分かっていたから、俺は御堂先輩に隠していたことを謝罪。

真摯に詫びて、改めて自己紹介をさせてもらった。


「豊福空。鈴理先輩の噂の彼氏っす。本当にすみません、隠していて。貴方に意地悪をしたくって隠していたわけじゃないんっす。
ただ公の場で俺のことがばれたら不味いと思って…、パーティー後に紹介してもらうつもりだったんっすけど」


「まあ、鈴理のことだから僕を驚かしたい気持ちも半分以上はあっただろうがな。それにしても驚いたな、鈴理の理想男性像とまったく違うものだから…、君を疑うことすらできなかった」