前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



がりがりと後頭部を掻く大雅は、「救われた恩は返すべきだ」それがダチのすることだと腕を組んで鈴理を見据えてくる。


「当然だ」恩がなくともあたしは行動していただろうさ。鼻を鳴らして物申せば、「たりめぇだ」ヤサシー俺様はダチを大切にしてやるタイプなのだと大雅はしたり顔を作る。


「ついでに親の説得はどーするよ」

「フン、優先順位など既に分かりきっていることではないか。あたしは好きな奴も、友達も大事なのだ。救われたら当然恩は返す。あいつがなんと言うと首を突っ込むぞ」

「ッハ、言うねぇ。そこらの男より男前じゃねえか。あ、テメェは女だったか。けどな、どんなことがあっても俺は受け男にだけはなんねぇからな」


「安心しろ。そうなるよう調教するのが攻め女の腕の見せ所だ!
……うむ、しかしそうなると空の腰は諦めなければならないのだろうか?

いや三日以内に解決させて四日以内で説得すれば問題もあるまい! 狙った獲物は食らうまで諦めない。それが攻め女だ!」


「うっし。俺はこれからテメェと常に1メートル距離を置くことにする」


冗談も程ほどに、これからどうするべきかを考える。

大雅は一旦兄達と合流して知恵を貸してもらおうと提案した。


事件により自分達と別行動を起こしている兄達と合流して、どうするべきか話し合うべきだと大雅は物申した。
 

すぐにでも行動を起こしたいが、なにぶん相手が相手だ。

慎重に行動するのが得策だろう。

自分達の分析したデータも未だに狙われている可能性がある。


より財閥界に詳しい人達に手を貸してもらうのが一番だと大雅は意見した。

自分達の力だけで乗り切れるほど財閥界は甘くない。


それを知っているからこそ、である。


「玲のことが気掛かりだが」


今は何を言っても聞かないだろう。

俺達は俺達で動くべきだと大雅。


同調した鈴理はポケットからUSBメモリを取り出した。

これは自分の物ではなく、元カレが自分のポケットに忍ばせたもの。


鈴理はグッとそれを握り締めた。