うとうと、うとうとと眠りに就く御堂先輩に綻んで俺はそっと前髪を払って相手の寝顔を目に焼き付ける。


俺はあと何回、この無垢な寝顔を見られるんだろう?

貴方を裏切ってしまう、俺はあとどれくらい側にいられるんだろう?


明日、あさって?

それともこれから先ずっと一緒にいてくれる?


これから起こす真実を知っても貴方はずっと一緒にいてくれるかな?
 

さと子ちゃんの言うように、俺は偽善を振舞っている。


その心を裏切る。

まさにそのとおりだろう。
 

それでも俺にとって貴方は大切な守るべき人。
俺達を救ってくれた恩人。


なにより、守りたいと約束した人。



「御堂先輩。貴方の未来は必ず、守りますよ。必ず」
 
 

すべてを失くしても後悔はしない、後悔だけは。



⇒09