前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



何を言っても聞き分けないから、「帯は結んであげますから」最大の譲歩案を相手に出した。

いつもそれじゃないかと脹れ面を作る婚約者だけど、お、俺にこれ以上どうしろって言うんっすか!

アータの下着姿を見てデレろとでも?!
いや、ちょっとデレそうだけど!
 

「んじゃあ、先輩の好きなことに付き合ってあげますから」

「だったら着替え」

「いやそれ以外で!」
 

男のつらーい立場を分かってやって下さいよ。

今度は俺が泣き言を連ねた。


「しょーがないから」


鏡プレイで許してやると言われ、俺はマジ泣きしたくなった。

それもヤッす。
ほんとのほんとにヤッす。


相手はからかってきただけのようで食事をしながら考えると一笑し、野郎がいるまで堂々と着替えを始めた。


おかげで俺はパソコンに視線を戻さないといけない。

自室で着替えろって言っても聞きやしないんだ、彼女。


最近では寝具どころか着替えもこっちに置いているし。新婚さんごっこでもしたいのかねぇ。

そろそろお帰り、マイダーリンと挨拶するべきかもしれない。
 

帯を締めろと甘えてくる彼女のために、しっかり浴衣の帯を締めてやり、俺は彼女と大間に向かった。


そこで遅めの夕食を取り、婚約者と談笑。

晩酌していた源二さんや手酌をしてあげていた一子さんとも談笑して会話が盛り上がった。

御堂家のご家族は好きだと思った。
本当に好い人ばかりで、なんとなく泣きたくなった。


好きなあまりに感極まったというか、なんというか。

決して表には出さなかったけど、本当に泣きたくなった。