前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



簡略的に言えば想像を絶する料理ばっかだったんだ。
 

平然と会場に入る鈴理先輩や大雅先輩、宇津木先輩、御堂先輩は揃いも揃って「まあまあな料理」だってご感想を述べていたんだけど、果たしてこれが“まあまあ”なレベルだろうか。


じゃあ普段食べている俺等の料理は“下の中”だとでも?

それも大層失礼な話だけど、こんな料理を見せつけられたら、“下の中”を認めざるを得ないかもしれない。


「アリエナイ」


料理達に率直な感想を述べる川島先輩。

本当に庶民出身者が一人でもいてくれると心強いもんだ。


「料理でこっちの世界観が分かりますね」


俺も率直に感想を述べた。キラキラのつやつやした料理たちに目を皿にするしかないもんなぁ。



はてさてご馳走が目の前にあるんで、んじゃあ早速食べますか。

なーんてことにもならず。


まず七時ジャストに開催の挨拶。
 
次に代表の財閥のご挨拶があって、各々近状の報告会、んでもって此処を貸し切らせてくれたホテル支配人のお言葉等々。

まるで体育祭の開会式にでも出席しているんじゃないかってくらい長ったらしい挨拶があった後、ようやく立食パーティーが始まった。


俺と川島先輩はわぁい食べましょうそうしましょうと、無遠慮に食事を始めるんだけど、財閥チームはそうもいかないみたい。
 

各々挨拶回りをしていた。


ほんとに大変そうだな、皆。

愛想笑いを振り撒いて見知らぬ財閥二世、三世と言葉を交わさないといけないんだから。あの大雅先輩も引き攣り笑いで応対しているもん。

御堂先輩はもっぱら、女の子ばっかに挨拶してるみたい。
男には見向きもしていない。
 

「大変っすね」俺は山盛りのロース肉をフォークで刺し、もぐもぐと光景を眺める。

「だねぇ」庶民で良かった、川島先輩は同情し、大量の高級フルーツをフォークで刺してこれまたもぐもぐと食事を進めていく。