さて、財閥交流会の会場は15階にあるらしい。
15階まではエレベータに乗るんだけど、このエレベータが曲者だった。
何故か?
答え、エレベータの中から景色が見られるから。
何度も言うように俺は高所恐怖症。高いところは大の苦手で大嫌いだ。
だからエレベータの構造を見た瞬間悲鳴を上げたね。
なんでわざわざスケルトンにしちゃってるの、このエレベータ! イミフっ、イミフだぁあああ!
俺が我慢して乗れば終わる話だったんだけど、此処で一騒動起きてしまう。
そう、高所恐怖症の俺が駄々を捏ねてしまったんだ。
皆を困らせるとは分かっていたけれど、
「お、おぉお俺…、無理っす。の、乗れないっす」
顔面蒼白する俺は無理だと連呼して、先輩方だけ乗ってくれるよう頼んだ。
自分は階段を使わせてもらうから。
そう訴えてエレベータから逃げたわけなんだけど、鈴理先輩が俺を捕まえて大丈夫だと気を落ち着かせてくる。
ブンブンかぶりを振る俺は、「乗れないっす」無理だとヘタレた。
情けないって分かってるけど、こればっかしはどうしょうもない。
「空。皆で一緒に乗るんだ。ひとりじゃないから大丈夫。な?」
「仮にエレベータが停止して落っこちることがあっても、皆、一緒にどぼーんだぜ。怖くねぇって」
おぉおお落ちる、ですとな?
サァッと血の気を失う俺を余所に、「大雅!」鈴理先輩は大喝破。飛び膝蹴りをお見舞いしていた。
紙一重に避けながら、「俺は励ましたんだって」彼は両手を上げて無抵抗を示している。気遣いが余計、恐怖心を煽いだっす。大雅先輩。



