前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



トロくんの言葉に、さと子ちゃんが笑顔を作った。


おーっと。

これはトロくんの好感度がアップした予感「その時は空さま。是非ご一緒に」


……わぁーお、ごめんトロくん。


君のアプローチに俺という障害が出てきちゃって。

きっと君は体育祭の時、さと子ちゃんと二人きりになるシチュエーションを考えていたんだよな。

ごめん、まじごめん。

でも俺のせいか? これ!


がびーんとショックを受けるトロくんを尻目に、にこにこっと俺を見上げてくるさと子ちゃんは一緒に行きましょうと誘ってくる。


純粋に友達と見に行きたいって気持ちが出てきてのお誘いなんだろうけど、トロくん的にはドチクショウだろう。

イチゴくんはトロくんの様子に対して、噴き出しそうになっていた。
 

はてさて俺はといえばお誘いを断る理由もなく、「そうだね」と返事するしかない。

だがしかーし!
彼に配慮もしたいので、「御堂先輩も誘ってみようか」と提案を返した。


これにより、まだ二人きりになれる機会は作れるだろう。

俺と御堂先輩が一緒ならさと子ちゃんも彼に呼び出された際、気兼ねなく赴けるだろうし(赴いてくれるかどうかは別問題だけど)。


それに、だ。

さと子ちゃんにとってこれは良いチャンスだろう。俺はさと子ちゃんに二人とメアド交換をすすめた。


「実家を出て戸惑うことも沢山だろうし、まだ生活にも慣れていないでしょ? 友達は多い方がいいよ。
今日知りあえたイチゴくんやトロくんとメアド交換しておいで。二人はタメだし、さと子ちゃんも気を置けず喋れるじゃないか。ね、二人もいいでしょ?」


「イチゴはぜーんぜんOKでーす。んじゃあ、メアド交換しようか。俺から赤外線で送るから」


「んじゃ次はオレやオレ! さと子ちゃんと繋がれるなんて運命感じるで」


トロくんの親父くさい発言は置いといて、さと子ちゃんは俺の提案に瞠目。

次いで、嬉しそうに二人とメアドを交換していた。少しでも友達の輪を増やしておいたほうがさと子ちゃんのためだろう。

俺や御堂先輩だけじゃさと子ちゃんのためにもならないし、何より俺達の間には主従関係って壁がある。


本当の意味で気兼ねない友達を作っていた方が彼女も安心だろう。


今度フライト兄弟を紹介しようかな。

さと子ちゃんのために女の子を紹介したいけど、それは御堂先輩に任せよう。

俺、女友達は少ない方だから。