「僕からの贈り物に不満でも?」

「あ、いやっ、そういうことでは…、お、俺にくれるんっすか?」

 
フンと鼻を鳴らしてそっぽを向く御堂先輩、どうやら俺にくれるらしい。
 
男嫌いなのにどうして俺に買った商品をくれるのか…、ちょっち心意が分からない。

んでもって本音を言えば御堂先輩まで参戦するなんて思いもしなかった。

勢いに任せて参戦したらどうかと言ってはみたけど、本当に参戦するなんて…、んー、さっきスッゲェ生意気言った手前だから気まずいっちゃ気まずいけど、これとそれとは別だし、自分の商品を俺にくれたんだ。

お礼は言うべきだろう。


「ありがとうございますっす」


頭を下げて礼を言えば、流し目、そっぽ、鼻を鳴らされた。

さっき謝られた時は友好を築き上げられる可能性を見出した気分だったけど、やっぱり男嫌いは男嫌いのようだ。超素っ気無い。

根っからの男嫌いなんだろうなぁ。

残念だけどオトモダチにはなれそうにないようだ。
 

あ、ほら、思った傍からスッゲェ目で睨まれるし…、男嫌いならなんで俺の真正面に座ったんだろう?

場所移動でもするべきかな?
 

「てかよぉ、なーんで玲までこっちに乗ってくるんだよ。胸糞悪い。自分の車で行けばいいだろうが」
 

うっわぁお、此処で大雅先輩が御堂先輩に喧嘩を売っちまった!

けど冷静な御堂先輩は、「言っただろ?」鈴理の彼氏について噂を確かめたい、本当ならばじっくり話を聞きたい、と。


「君はもう、僕の言ったことを忘れたのかい? 物覚えの悪い男だ。まだ犬の方が賢いぞ。ああそうだとも、男なんて犬以下だ」

「へっ、そーかよ。だがな男がいねぇと子孫は生まれねぇんだよ。男女あっての子孫繁栄だっつーの。テメェは女とでも結婚するのか?」

「そういう君は麗しきお兄様と結婚するのでは?」



「ッ~~~、そりゃ百合子の妄想の中だけだ畜生!」

  

俺は女が好きなんだよっ、ギリギリと奥歯を噛み締めて青筋を立てる大雅先輩に御堂先輩は嘲笑するだけ。