前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



「豊福、君が起きている時に付けてみたいんだが。激しいのと優しいの、どっちがいい?」

「え? つけるって」

「君の要望にあわせようと思ってね。一方的な行為では面白くない。どっちがいいかねだってみせて」
 

御堂先輩は俺の唇に当てていた食指を、首筋に滑らせた。
 
起きている時に……、一思案して俺は彼女の意図を察してしまう。

キスマークをねだれって言うんっすか!


ちょ、なかなかの羞恥プレイっすそれ!

キスマークをつけてとか、経験上ねだったことないよ。
 
キスをして欲しいってのは、あ、あ、あるけど……マジっすか。俺がねだるんっすか。

ねだられるのも困るけど、ねだるのも…、俺がねだる、か。


くっそーっ、攻め女こそ無理難題を押し付けてくる生き物っす!
 

「可愛いおねだりがいい」


なんてハードルを高く上げられ、俺はしかめっ面を作った。

可愛いってどゆことっすか。

ただでさえ男女逆転ポジションで周囲を引かせているのに可愛さを求められてもっ。
 

「決めないなら僕が決めるぞ。何をされても文句は言えないからな」
 

そ、そんな殺生な。

間を取って俺と仲良くイチゴミルクオレでも飲みながら談笑、じゃあダメッすか?

あ、見逃してくれなさそうっすね、その目は。


キスマークをつけるくらいなら、べ、別にいっすけど。

てか、俺の許可なく寝ている時に散々つけているじゃないっすか。

なんで今更面と向かって聞くんっすか!
しゅ、羞恥プレイでもやるつもりっすか!


御堂先輩って鈴理先輩のように強引押せ押せって感じじゃないんだよな。誘導尋問のように、じわりじわり精神を攻めてくる感じ……、だから慣れない。

言葉で精神を攻められたりするの、全然慣れない!


「どっち?」


首を傾げてくる彼女は実演として激しいのがこれだと(アイテテ。また噛まれた!)、優しいのがこれだと(舐め方がヤラシイ!)と教えてくれる。


言わないと解放してくれないんだろう。
それとも言わなかったら彼女はもっと意地悪いことをするかもしれない。ありえる。だって攻め女って基本的に意地が悪いし。

ええいっ、腹を括れ俺!

言わされることくらいっ、セックスに比べたら屁でもない筈だ!