前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―




しれっと逆セクハラをしてくるプリンセスに目を瞑り、どうして俺の居場所が分かったのかと彼女に尋ねる。

「馬鹿だな」僕が豊福の居場所を把握できないとでも、満面の笑顔でスマホを取り出した。


「GPS機能があれば、何処でも豊福の行動を把握できるぞ。君がカラオケに向かったことも、そこに入らずバッティングセンターに入ったことも把握済みだ」


もっと詳しい情報も口にするべきか?

彼女の問い掛けに、俺は限りない棒読みで「わぁ愛の力っすね」と指を組んでスマイル。

これ以上の情報を聞いたら俺が喪心しそうだ。

ってか、俺の何処にGPSが付いているんだ? 御堂家に借りたスマホか?


さて彼女が此処にいる理由は俺のお迎えらしい。

時間を確認すると既に八時過ぎ。


随分、皆と話し込んでしまったようだ。時間が経つのって早いな。
 

「空の婚約者って心配性だな。自分ひとりでも帰れるだろうに」


わざわざお迎えなんて、どんだけ心配性なんだとイチゴくん。

「当たり前だろ」財閥の婚約者なんだ、誘拐される可能性は十二分にあると御堂先輩は素っ気無く返事した。

それには何も言えない。
本当に誘拐されたことがあるからこそ何も。


「なにより豊福が性的な意味で襲われたらどうする。前にSMプレイ未遂を犯されそうにっ」

「えっ、空…! お前、どんな悲惨な目に遭ってるんだよ!」
 

また余計な話題を掘り返しましたねっ、それ親衛隊がヤらかした道徳指導でしょ。

危うくMにされそうになった思い出に浸り、俺は溜息をつく。

ベルト鞭は痛かったな。
二、三発しか食らわなかったけど、ベルトは人に向けるものじゃないっすよ。

いやぁMにならなくて本当に良かった。
 

「豊福は僕の彼女だ。身を案じたことに越したことはない」


……せめて彼氏って言ってっ、御堂先輩!
 

「うわっ、女に彼女って言われてらぁ。これが噂に聞く攻め女か!」

「馬鹿だね翼くんは。あんなの序の口にすら入らないよ」

「そーそー。もっと過激だぞ。毎度の如く空が発狂しかけてるもんな」
 
 
好奇心を瞳に宿らせるイチゴくんに、フライト兄弟がまだまだ甘いと指摘。

「例えば?」イチゴくんの惜しみない質問に、

「ふーん。君は攻められたい願望なのか?」

フライト兄弟が返事する前に御堂先輩が口を開いた。

好奇心を宿らせているイチゴくんに思うことがあったらしい。