まるでクラスメートのように場を盛り上げ、面白い話を聞かせてくれるもんだから、ついつい時間も忘れて駄弁りに夢中になってしまう。
暫くイチゴくんの近状を聞かせてもらっていたんだけど、話題のネタが尽きたのか、はたまた喋るのに飽きてしまったのか、バトンを俺に向けてきた。
「なあなあ。例の彼女とどうなっているんだ? 最近アジから聞かないんだけど」
ほら、雄々しいって噂の彼女。
ニンマリ笑ってくるイチゴくんに、「え。あ」俺はしどろもどろになった。
イチゴくんの指す彼女って鈴理先輩のことだよな。
いや、どうなったかって言われると、その、別れたとしか言いようが。
冷え始めたポテトを口に入れて咀嚼する俺に、「あー」ちょっと複雑なことになってるんだよな、とさり気なくアジくんがフォローしてくれる。
「ナニ? 喧嘩でもしてるの?」
まったく事情を知らないイチゴくんが興味を示してきた。
そりゃ俺以外の二人は知っていて、イチゴくんだけ知らないとなると、疎外感も出てくるだろう。
フライト兄弟の気遣いも見え見えだし。
教えてくれてもいいじゃないか、イチゴくんの表情が渋くなった。
俺、他校だから誰かに喋りようもないし、不機嫌に鼻を鳴らす。
折角仲良くなったんだから、輪に入りたいってのが念頭にあるんだろうな。
その気持ちはすっげぇ分かる。
仲良くなったらなっただけ、身近な情報とかも共有したいもんな。
なによりイチゴくんなら喋っても大丈夫な気がした。
彼とは気が合うんだ。
幼少期に仲良くしていた記憶が、どっかで根付いているのかもしれない。
「例の彼女とは別れたんだ」
俺は話題を切り出した。
気が合う合わないで別れたんじゃなくて、身分の違いで…、と小声で説明する。
「向こうは令嬢だし、俺は庶民だったから。ご両親から別れて欲しいって言われちゃって。元々彼女には許婚がいてさ。婚約するからって」
「ゲッ、なにそのヘビーな話。お前、そんな重たい恋愛してたのか? 噂を聞く限り破廉恥極まりなかったけど」
……アジくん、イチゴくんにどんな話をしてくれていたんだよ。
「それで、その別れて今は取りあえず、友人関係に落ち着いているんだ。取りあえず。ただその、俺、まだ未練を持っちゃって。だから俺の…」
「あー、そりゃあな。未練になるわ。で? だから新しい彼女を作っても想いが断ち切れないと?」



