前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―




 


“遊びに行く? いいじゃないか。行って来ればいい。僕達の許可なんて不要だぞ。大体豊福は真面目すぎる。僕が許可を出さないとでも思っているのかい?

言っただろ。君の心は縛らないと。

ああ、だがナンパには気を付けろよ。
いつ何処で襲われるか分からないからな。なにせ豊福は魅了ある体でしかm(強制終了)”
 
 
はい、長ったらしい注意はさておき。

お電話したところ、無事御堂先輩に許可を頂きました!

良かった、御堂先輩が寛容ある人で。


ナンパやら連れ込み宿に連れ去られるなやら、変なことを言われてしまったけれど、俺の気持ちを酌んでくれた彼女の言葉は嬉しかった。


けど真面目すぎるのかな。

だって借金を踏み倒さないよう人質として御堂家に居候しているんだぞ?

下手に行動したら疑(うたぐ)られないかなぁっとか心配するじゃんか?


迷惑掛けたらヤダし。


ま、でも無事許可を貰ったんだ。心配は無用か。

久々にフライト兄弟と遊べるんだし、今は目の前の楽しい現実に集中しよう。

そりゃ鈴理先輩達のことは気掛かりだし、御堂先輩もどう勝負に応えていくか不安なところではあるけど、アジくんの言うとおり、怒涛の日々が続いている俺には息抜きが必要だった。


ちょっと前まではテストもあったし、遊ぶって概念が俺の中から消えていたんだ。

俺も一端の学生だし、少しは遊ばないとな!


ということで放課後、俺はフライト兄弟と一緒に寄り道。

ストレス解消にはやっぱ此処だとアジくんに連れて来られたのはカラオケだった。

が、俺が全力で無理だと言ったため、場所を変更。近場のバッティングセンターに足を運んだ。


なんでカラオケを全力で拒否ったかって、そりゃ、俺が絶大な音痴男だからだ。


まーじ芸術系は駄目なんだよ。

真面目に音楽と美術の成績は悪い。


中学校の時からそうだった。

努力が認められて4は取ったことあっても、大体は3ちゃんたぬきだった。


副教科の得意科目といえば体育や家庭科だったしさ。

カラオケとかストレス発散って言うけど、世の中にはストレスを溜める奴もいるんだよ。音痴な俺がそうだ、うん。

音楽が嫌いなわけじゃないけど歌う行為がダメダメ。

音程取れないし。鈴理先輩の前で一度歌ったことあったけど、大爆笑されたという。

……俺にとって音楽は聴くものだよ。歌うとしても、それは鼻歌程度で充分だ。少なくとも俺はそれでいい!