前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―




いやいやいや大雅先輩は良いでしょうよ。

親が決めた結婚相手っすよ。二人が肩を並べれば美男美女カップル。

俺よか釣り合うでしょうに。


疎ましそうに紙くずをキャッチした大雅先輩は、


「なんだあの変態」


お前の取り巻きか? 婚約者に視線を流す。

 
約束破りな奴等など知らん、鈴理先輩はつんとそっぽを向いた。
 
途端に高間先輩が「詰ってくださいよー!」貴方に虐げられる。


それが生き甲斐なんですぅうう! と絶叫した。時場所問わずに絶叫した。
 
さすがの鈴理先輩もM発言に鳥肌が立ったのか、「キショイ」とつい悪態をついてしまう。

 
すると久々の悪態だと歓喜する高間先輩。
 
涙ぐんで、ここ数ヶ月、悪態という悪態を付かれてなかったのだと感動に浸っている(殴られたことはあったらしいけれど)。

隊員さん方とハイタッチしていた。

うん、俺も言いたい。キショイ。


俺が言ったら怒られそうだけど。
 

刹那のこと、高間先輩のブレザーのポケットから携帯らしき音が聞こえてきた。
 

しかも着メロがダース・ベイダーのテーマ曲だと?


映画・スターウォーズに出てくるアンチヒーローの曲を着メロが聞こえた直後、高間先輩や隊員の顔が強張った。

大慌てで高間先輩が電話に出ると、人が変わったように「あ。どうも」とその場で会釈。
 

取引先とやり取りしているリーマンのように丁寧口調で喋っている。


「はい、今日もばっちりですよ! 貴方様の婚約者殿は我々が全力で見守っています! なんたって応援団なのですから!
……え? ゴミなどを投げていないか? 罵声を送っていないか? ま、まさかっ。そんな大層なことできませんって!」


……電話の相手が分かったのは俺だけじゃない筈だ。
 
親衛隊にとってあの人の存在はダース・ベイダーなんだろうな(俺的にはジョーズなんじゃないかって思うけど)。


「お前の婚約者って怖いよな」


どっかで見てるんじゃねえ? アジくんが周囲をぐるっと見渡した。
 
いやぁ、多分自分の学校にはいるんだろうけど、誰かに見張らせているってところだろう。

ははっ、慣れたよ!

鈴理先輩の時から俺、どーっかでいつも見られていたみたいだから!


俺のために愛情と金をかけてくれてどうもっす!

開き直らないのやってらんねぇイェーイ!