「これは俺と鈴理、そして二家族の問題だ。が、結婚するのは間違えなく俺とお前だ。結局は俺達の問題で納まる。なら、俺達が足掻くしかねぇよ。結婚しなくても財閥は存続していくんだって親父達に見せ付ければいいんだ」
玲は言ったな?
環境を変えるにしても、人に認められるにしても、行動と結果が重視だって。
口ではなんとでも言える。
だが行動が伴わなかったら一緒だ。
人は口ではなく、起こした行動の結果で判断するものなんじゃないか? って言ってたよな。
あれって玲なりのお前への助言だ。
玲はお前が自分の前に現れるのを待っているんだよ。
簡単に豊福を手に入れたいなんざ思ってねぇし、お前のこともどっかで心配してんだ。
お前へのライバル意識が高くて高飛車な言い方しかできなかったようだが、あいつは待っている。お前のことを。
お前をちゃんとくだして豊福をものしたいんだよ。
分かるか? あいつの気持ち。
ライバルと友人の気持ちが混ざってそんな態度を取ったんだ。
玲が借金の件で救済方法を出したのはそのためだ。お前にチャンスを与えたんだよ。
メリットなんてねぇのにそうするってことは、どっかでお前が姿を現してくることを望んでいるんだよ。
お前だって豊福のことを変に諦めきれていないのは、自分で選んだ道じゃないからだ。
失恋するにしても、なんにしても、この未来は親父達が勝手に決めた道であって俺達じゃない。
だからお前は余計に納得しちゃねぇんだよ。
さっき兄貴たちの話題を出したな?
俺は自分で納得したからこそ、諦めがついている。お前はどうだ?
なあ鈴理、どうせなら自分達でやりきって挫折しちまおうぜ。
死ぬ気で行動を起こして、それでも駄目って時もある。
その時は自分達の力不足だったって認めて、親父達の指示に従おう。裏で俺達が子供だったって嘆けばいい。
まだ何もしちゃねえじゃんかよ。俺もお前も。
本気で、それこそ死ぬ気で環境を変えようとしたか?
お前、豊福が好きなんだろ? 努力する姿が好きだったんだろ?
じゃあ、お前も倣って努力すればいい。あいつに見せ付けて惚れ直させりゃいい。



