前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



「制服のままってのもなんだしな」


ダサイジャージ姿になることを許してもらおう。


そう結論付けて、俺はブレザーを脱いでハンガーに掛けた。

カッターシャツのボタンも外し、上半身下着姿になっていると、「こ。此処だよね!」と声が。



なんだ?


着替えていた手を止めて障子向こうを見やる。次の瞬間、俺の応答も確かめず障子が開いた。


で、「ししし失礼します!」お茶菓子を持ってきました! とテンパった声が。あぜーんとしている俺の前に現れたのは、とても若い召使さん(♀)。


ポニーテールにしている髪をぶるぶる微動させながら、震える手でお盆を俺に差し出してくる。


童顔なのか、とても顔つきが可愛らしい。二重の目が愛らしさを際立たせている。

ドドド緊張しているその人がチラッと俺の反応を窺うために一瞥してくる。


次の瞬間、彼女は俺が着替え中だってことに気付いたのか、瞬く間に顔を真っ赤にすると「キャー!」悲鳴を上げて俺にお盆を投げてきた。


ちょ、アブッ、アッチィイイ!


俺が悲鳴を上げたのもこの直後である。まる。


なんてこったい。


鈴理先輩宅に行った時も来て早々事件が起きたけど、御堂先輩宅でも事件が起きるなんて。

父さん、母さん、貴方の息子豊福空はよほど運のない男らしいです。はい。