「不服も何もあたしはあんたの息子を受けいr「センッパィイイイイイ! 雄々しいにもほどあるっすっ! この先は放送禁止にさせて頂きますっす!」
 
  

何故だと腕を組む先輩だけど、何故もどうしても畜生もないっすよ!
 

男がそれを口にしても白眼視されるシモのお話を、女性の貴方が口にしてしまうのは尚更ダメって言いたいんっす!

俺だけならまだしも、大雅先輩たちがいるんっすよ…、なんでそう、羞恥というものを知らないんっすかね。

貴方様ってお方は。


溜息をつく俺を余所に、「次はこれで行くか」指を鳴らす川島先輩が車内であらやだぁな小説を書こうかと宇津木先輩に話し掛ける。


「それはいいですわ」


パンッと手を叩く宇津木先輩は、そういうシチュエーションでいきましょうとニッコリ。


……、あの小説ってまさか、あれっすか。


架空鈴理先輩と俺のアリエナイ二次創作っすか?
車であらやだぁ…なんて、ちょ、それって。

 
「んー、運転手がいた方がスリリングだよなぁ。
てことは、声は我慢するってことで…、だけど小説の鈴理、超鬼畜のエスだし。

鈴理、あんたどっちがいい? 聞かせるのと我慢させるの」


「うむ、迷うが…、やはり此処は声を抑えてもらった方が良いな。必死になる空が読みたい」


「そういうと思いましたわ。ですけれど、空さんは我慢できますでしょうか? ねえ空さん、リアルにあった場合、我慢できます?」
 

なんで経験の無い俺にそれをお聞きするのかな? 宇津木先輩。

俺は、俺はっ、スチューデントの間では過ちを犯さないつもりっすっ。

流されそうにもなるけれど、高校生じゃあヤらないつも…、なんだか泣けてきたっす。

視界が揺れてるっす。


間違ったって嬉し涙ではないっすよ、これ。


「好きにして下さい」

限りなく無感情で返答し、頭上に雨雲、否、雷雲を作って俺はずーんと落ち込んだ。

向こうではキャッキャと女子三人が小説で盛り上がってるけど、ちっとも盛り上がれないっす俺。

どう転んだって俺はヤられる男なんっすね。