前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



こうして無気力になったり、乱心したり、俺らしくない言動を取ったりと怒涛の三日を過ごしたわけだけど。


泣いても笑っても暴走しても運命の食事会をやって来る。

どんなに祈ったって時間は俺の前に現れ、そして必ず過ぎていくんだ。


その日は平日だったんだけど、地獄の晩餐…、じゃね、食事会は夜七時から始まるということで俺は学校を終えると一目散に家に帰宅。

早めに仕事を切り上げた両親と共に、指定されたおぼろ花亭に向かう。


なんでも超お高い料亭らしく、両親はこの日のために少ない蓄えを銀行から引き出してきたとか。
 

このお金で向こうの食事代を払ってやると親は意気込んでいた。

せめて向こうのご機嫌を取りながら、話を自分達の有利に持っていこうって戦法らしい。

三日前のような気弱な姿はそこになく、徹底的に話し合ってやるぜ! と姿勢を見せていた。

ビシッとフォーマルな格好をしている姿がそれを物語っている(俺は制服のままだ)。


な、なんて勇ましいんだ、父さん母さん!

息子は感動したよ!


そうだよな、肩代わりしてもらったからって、俺達の借金じゃない。毅然と話し合えば何か良い兆しが垣間見えるかも!


親の姿に励まされた俺は無気力乱心(というな落ち込み)から脱し、俺も一緒に話し合おうと戦う姿勢を心構えた。


向こうだって人間なんだ。

良心があるなら、俺達の話を少しは聴いてもらえるに違いない!
 

相手の良心に懸けながら俺達は戦場になるであろうおぼろ花亭に到着する。

マンションやビルビルが立ち並ぶ一角にある店で、外見は変哲もないただの建物にしか見えない。

マンションのすぐ側にあるビル内にあるせいか、あっれ、本当に此処は高級料亭なのかと疑念を抱くほどだった。
 

でも店の中に入ってみると、世界は一変。

まるで和の世界に飛び込んだかのように、店内は和で彩られていた。