俺は鈴理先輩を大雅先輩に託したい。
素直な気持ちを彼女に伝えると、「ふざけているのか」一蹴された。
これがふざけている告白に見えるっすか?
だったら俺の告白の仕方がマズッているのかもしれない。
弱ったな、それなりにシリアスムードは出しているつもりなんだけど。
鈴理先輩の怒りを一心に浴びながら、俺は本気だと伝えた。
勿論俺はこれからも鈴理先輩のことは支えていきたいと思うし、仲良くもしていきたい。
なら、これから先は後輩として貴方のことを慕おう。
それが俺の出した二人に捧げる結論だ。
「あたしの気持ちを馬鹿にしているのか」
憤慨している先輩にそんなことないと俺は返した。
先輩がどれだけ必死に親を説得してくれようとしたか、それは英也さんから聞いている。
貴方が俺を想ってくれている気持ちは十二分に伝わっている。
だけど先輩は令嬢で、俺は庶民。身分が違う。そう言っても鈴理先輩は聞く耳を持ってくれない。
俺の言葉に失望したらしく、「空は馬鹿だ」どうして分かってくれない、あたしはあんたが好きなんだと喝破してくる。
「それだけじゃない。あたしも大雅もっ、親の言いなりになりたくなかった。だからっ…、努力して説得をしていたのにっ。
あんたからそんな言葉を聞くとは思わなかった。
それともあんたの気持ちはそこまでだったのか。
だったら期待はずれだ。それまでの男だたっと見定めてやる」
「お、おい鈴理。ちょっと落ち着け、言い過ぎだ」
「大雅は黙っておけ。空には分からないさ。
親の指示に従い、決められたレールを走らないといけないあたしや大雅の気持ちを! 婚約式だってあたし達が望んでいたわけじゃない。
べつに大雅が嫌いではない。
だが、望んではいなかった。
どれほど努力していたのか知りもしないくせに、勝手なことばかり言うな。不愉快だ!」
「―――…それでも俺は言いますよ。俺は大雅先輩に鈴理先輩を託したい、と。努力しても手に届かないことって沢山あると思います」



