前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―




「俺も呼ばれたんっす。正式なお客として婚約式に。大丈夫っす、俺はちゃんとお祝いする気持ちで来たんっすから。
また後でお話しましょう。もう時間でしょう?」
 


頬を崩して、空は受付テーブルに向かった。

「おいおい」

最悪の展開じゃねえかよ、大雅がこめかみに手を添えて呻いた。

鈴理は完全に言葉を失っている様子である。


百合子は鈴理を気遣い、声を掛けて取り敢えず中に入るよう促した。


彼のことは自分達が受け持つから、そう告げて。


内心ではどうしてこんなことに、と悲しみにくれるしかなかった。


誰かの差し金なのだろう。

でなければ、庶民出身の空が呼ばれるわけがない。

 

(ということは、鈴理さんのご両親が…、それにしてもこれはあまりにも残酷ですわ)
 
 

荒れそうな婚約式になりそうだと、百合子は思わずにいられなかった。
 


「豊福―…」


傍らで玲が片恋相手に目を細める。

彼女の心情は誰にも分からなかった。