前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



これまた箱入り息子さんに娘さんはタイムセールってなんだって顔をしてきた。

ええいド畜生、お金持ちのボンボンめ。

金銭なんて考えず物を買ってるでしょ!
こっちたらぁびた一文無駄にできないっていうのに!


……おっと、しまった。

節約心がついつい剥き出しになるところだった。
金持ちさんは金持ちさんで大変なんだってことを忘れるな、俺。
 
 
「タイムセールっていうのは、区切った時間内に行われるセールのことっす。その時間にだけ、商品が値下げされて販売されるんっすよ」


例えばほら、トイレットペーパーが68円。12個入りで68円! 激オトクっすよ!

他にも生鮮食品とか、日用品とか、色んなものが値下げされるんっす。

このスーパーでは月一でタイムセールをするんっすけど、毎度の如く豊福家はこれを狙ってるんっす。

だってこれを逃せば、また翌月まで待たないといけないんっすから。


翌月まで他のスーパーのタイムセールで凌がないといけないんで。


此処のスーパーは特に大安売りしてくれるんで、月一タイムセールを楽しみにしてるんっす。


だけど今月はちょっとお金が厳しいんで、欲しい物を定めておこうと思いまして。

それがなくてもタイムセールは主婦戦争っすからね、心しておかないと戦利品なしになっちまうっす。
 

「千円以内でどれだけ多くの食材・日用品が買えるか、今日の俺の手に掛かってるんっす。
一週間をそれで賄いといけないんで、これまたプレッシャーなところなんっすけど」


「……、な、なんか大変なんだな豊福も。なあ、鈴理」

「……、空は家庭的な男だからな。それより空、昼食を取らないと時間がなくなるぞ」



お弁当は?
あたしのものと半分にしよう。彼女は笑顔を向けてきた。

鈴理先輩は俺のお弁当事情を知って、よくお弁当を作ってきてくれるんだけど、それはいつもじゃない。

習い事やらなんやらで作って来れない日も当然ある。


その時は俺の悲惨なお弁当と、自分の昼食を半分ずつにして一緒にご飯を食べているんだけど。