けれど期待された三世代目は女。
父は性別関係なく僕の誕生を祝福したが、男としてちやほや甘やかされて育てられた祖父は快く思っていなかった。
孫が娘だったことに憤慨したそうだ。
まさしく祖父の中には男尊女卑の思考が根付いていた。財閥の先導に立つのは男でなくてはいけない。
男が偉くて当たり前なんて思考を未だに持っているんだ。
そのせいで母は随分祖父から責められたそうだ。
母は受け流して僕に愛情を注いでくれたし、父も娘でよかったと言ってくれたが、祖父だけは違った。
僕は覚えている。
幼少に祖父から言われた言葉を。なんでお前は女なんだ。望んでなどいなかった、と蔑まれた言葉の刃を。
女だったから駄目?
では僕が男だったら祖父は祝福してくれたと?
成長するに連れて僕は祖父の頭から女を見下げる男尊女卑の思考に嫌悪感を抱くようになった。
しかも祖父は16で僕を結婚させるよう父に命じていた。
結婚というより、妊娠に期待を寄せていたんだ。
母が妊娠するのはもう無理だと思ったんだろう。奴はひ孫に望みを託すようになったんだ。
とにかく自分が生きているうちに、男系の血を強めたい。
その願いから、早く結婚しろと命じるようになった。
両親は僕のペースでいいって言ってくれているが、祖父は誰でもいいから男を作って子供を作れと煩かった。
結果、僕は男嫌いになった。
男尊女卑の世界観が疎ましかった。
男がすべての世界が腹立たしかった。女を見下げる奴の眼に反吐が出そうだった。
いつしか僕は一つの誓いを立てるようになった。
代々女系の強い御堂家を僕が継いでやる。女系でも成り立つ財閥にしてやる、と。
祖父は僕に財閥を継がせるつもりはなく、あくまで男に継がせるつもりなんだ。そんなに女系が嫌なのかと鼻で笑ってしまうほど。
「男尊女卑は特に財閥界では今も強く根付いている。僕はそれを取っ払ってやりたいんだ。それこそ逆転して女尊男卑にしてしまいたいほど。
……何が見合いだ。どこぞの誰とも知らない奴と見合えるわけないだろう」



