前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―


 
接客中心かと思ったんだけど喫茶店なわけだし、調理なんてものも当然させられた。

日頃から家事をしていた賜物か、わりと簡単な調理ばっかりだったから安心していたりする。


ただしレジ打ちだけは曲者だった。

機械音痴の俺にはレジって機械がすっげぇ強敵で、こればっかりは先輩達に何度も迷惑を掛けた。

特にクレジット精算とIC精算が……、機械なんて大嫌いだ!


まっじワケ分からん。


先輩達は単純操作するだけだって言っていたけど、俺は何度メモ帳と見比べながらレジを打ったか!

毎度の如く手がぷるぷる震えたよ。まじで。


更にバイト慣れしていない時にフライト兄弟がやって来たもんだからっ、テンパったね!


二人ともヤーな笑みを浮かべて俺の仕事っぷりを見てくるわけだ。

もはやあれは苛めの一種かと思ったよ。

二時間も居座りやがってからにっ、チクショウ!

お友達なら俺のことをもう少し、気遣ってくれてもいいじゃんか!
 

こうしてバイトデビューと学業の両立で多忙な毎日を過ごしていた俺だけど、一方で気掛かりが胸を占めていた。
 

鈴理先輩と大雅先輩のことだ。


日に日に二人から感じられる違和感が濃くなっている気がしているんだ。


俺の気のせいならいいんだけど、二人とも、俺と顔を合わせる度になんとも言えない表情を作ってくるもんだから、俺も決まりが悪くなってしまう。


攻めの持論を掲げている鈴理先輩の“攻め”も日に日に弱弱しくなってきているみたいだし、何かあったんだろうか?