「知ってる? 和菓子で有名な茶屋」
茶屋?
ああ、この前鈴理先輩やフライト兄弟、御堂先輩に親衛隊と言った和菓子専門の喫茶店か。
知っていると返事すると、あそこでバイトを募集していたと瀧さんが教えてくれた。
なんでもよくあそこのお団子を買いに赴くらしいんだけど、そこで丁度バイト募集のチラシを見かけたらしい。
しかも週二日OKで高校生歓迎、休日大歓迎だったとか。
時給も700円台でそこそこ良かったとか。
まさしく俺得じゃんか!
「こういった情報誌って、人が寄ってくる倍率も高いし、良いバイトって見つけにくいの。
だから行きつけのお店を隈なく見た方がわりと良いバイトがあるってお姉ちゃん言ってたよ。
豊福くん、どう? 行ってみる価値あると思うんだけど」
「ありがとう瀧さん! 早速放課後に寄ってみるよ!」
「頑張ってね」綻ぶ瀧さんに笑みを返して、俺は採用してもらえたらいいな、と先走ったことを口ずさむ。
気が早いとフライト兄弟にツッコまれたけどお得情報は逸早く自分のものにしたいもんじゃんか!
もし駄目でも、瀧さんの助言に従って飲食店を中心にバイト募集のチラシがないか探してみよう。そうしよう。
あ、そうだ。
バイトが決まっても暫くは先輩達には黙っておこう。
多忙な鈴理先輩達に余計な気遣いはさせたくないし。
なによりお金が入ったら、鈴理先輩から借りている携帯も返せるしな。
自分の携帯を持ったら先輩の携帯は返すって約束だ。
それを果たす良い機会でもある。
俺は早く放課後にならないかな、と胸を躍らせていた。頭は既にバイトのことでいっぱいになっていた。



