前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―


 
「美味しいな」


肉を頬張っている先輩が一笑してきた。

喜んでくれる彼女を見たら疑念も吹き飛ぶ。

良かったと綻び、俺は空になった彼女の小皿を取って何が食べたいかと尋ねた。


適当によそって欲しいって言われたから、独断で食材を皿に入れていく。


「はい」先輩に手渡すと、「ありがとう」笑顔を返された。先輩の元気な姿に俺はすっかりご満悦。やっぱり先輩は笑顔が似合う。
  

「ふふっ、仲が良いですね」


俺達の光景に母さんが口を挟んできた。

今のやり取りは普通じゃないか。別にいちゃいちゃとかラブラブとかなかったと思うんだけど。

気恥ずかしくなる俺の隣で、

「彼は気配り上手なんですよ」

だからあたしの世話を進んでしてくれて、と先輩が返答した。


「それが空の良いところだと思います。ああそれに普段は(食らってしまいたいほど)照れ屋で可愛いんですよ」


あ、あれ?

今。内なる先輩の声が聞こえたような。父さん母さん、には、聞こえて、いない?


「まあ、そう言って頂けると親としても鼻が高いですね。裕作さん」

「本当にな。空の節約心(という名のケチ)が普段から出ているんじゃないかって心配していたんだが、彼女に優しくしているようで良かった」


「本当に優しいですよ。空は照れ屋ですぐ(あたしの攻めから)逃げてしまうことがありますが、そこも(押し倒したくなるほど)可愛くて。
節約心が出ることもたまにありますが、話を聞いて楽しいですし。ご両親思いですし。(婿養子にしたい)良い息子さんだと思います」


うーんっと褒められて嬉しいのに、内なる声が聞こえて来るような気がして喜ぶに喜べない。

俺の気のせいだって思いたいけど、ちゃーんとしっかり聞こえているわけで。