「空は和菓子屋を営んでいる会社。あたしは洋菓子屋を営んでいる会社だと前提するぞ」
空は菓子の幅を広げようと洋菓子に挑みたいのだが、自分で新しい洋菓子を作るには時間と費用を要する。
そこで元々洋菓子屋を営んでいるあたしの会社と合併して、和菓子と洋菓子両方取り扱っている大きな会社にすることにした。
そうすると、空の会社は自分で新しい洋菓子を作らなくとも元々洋菓子屋を営んでいたあたしの会社の力が加わったことで、洋菓子市場を得ることができるというわけだ。
あたし自身も和菓子市場が得ることができて一挙両得というわけだな。
新規事業を開拓するにはリスクがいるんだ、空。
自分達で自分達しかない洋菓子を作る時間も要するし、それだけの人でもいる。
洋菓子を作れたとしても顧客に受け入れられるか分からん。
だからM&Aを採用し、その企業を買ったり、売ったり、合併する。そちらの方が即戦力にもなるしな。
さっき国内市場競争力強化や国際競争力の強化を述べたが、今の時代は物で溢れかえっている。
何かしら力をつけておかないと、他社とすぐ差をつけられてしまうし、海外に物を売り買いするのも当たり前な時代になった。
日本の国際競争力はやや他国と比べて劣っているからな。
加えて世界全体が不況ときている。
競争力をつけないとすぐ企業が倒産してしまう時代なんだ。
「まあ、ザックリ言うとこんなところだ。
本当にザックリしか語っていないから、興味があるなら後日一緒に勉強してもいいぞ。経済の勉強はしていて損が無いと思う」
「はーっ。先輩詳しいんっすね。大まかなところは理解できましたよ。
んじゃあ、ニュースの企業も不況だからM&Aをしたんっすね?」
「M&Aは売り手の企業救済の概念も持つからな。合併したことで赤字を緩和しようとしたんだろう。今や世界全体の景気が悪い…、何処も必死なんだ。景気が爆発的に回復するには戦争でも起きない限り無理だろうな。
皮肉だが他国のどこかで戦争が起きれば、物資の支給を求められる。それによって生産性と輸出力が右肩上がりとなる。そういう歴史があるんだ」



