ぞぞっとする感触が耳から脳内に伝わっていく。
同時にたくし上げられるシャツ、じかに触れてくる指先は脇腹をツーッとなぞる。
危うく声が漏れそうになり、俺はアッブネェと片手を口元に持っていく。
マジで受け男の階段を上っているぞ、俺。
オネェの道まっしぐらだぞ、俺。
明日には娘へ性転換もありうるぞ、俺。
てか、なんで俺、こんなに攻められているんでっしゃろう! しかも空気がいつの間にか艶かしいし!
「先輩っ…、そろそろ悪ふざけは…」
「悪ふざけじゃなく、本気だと言えば空はどうなるんだろうな? あたしはわりと今、本気だぞ。
この体勢に二人きりの空間、どれもスペシャルに美味しいではないか。この機を逃すと思うか?
―――…いや、逃がさない。空、逃がさない」
目を細めて笑ってくる先輩に唖然としていた俺だけど、ハッと我に返ってかぶりを振る。
な、流されている。
いつの間にか流されているっ、ダメダメダメ!
スチューデントセックスは言語道断!
ストップエロティカル青しゅ…っ、だから耳を舐めるのは…、んでもって脇腹を触るのもアウトっす。
おイタしている彼女の手を捕まえるけど、舐める行為までは止められない。
押し返してやりたいけど、今、口元に押えている手を退けたら声が漏れて俺の名誉が傷付けられる!
ヤダもう、こういう風に攻められるの!
客観的に見たら、情けない俺がそこにいるに違いないもん!
がっつりちゅーだと状況判断もつかないくらい脳みそが停止するからまだ良いけど(いや良くないけど)、徐々に追い詰めていく行為はしっかり理性が残っているから多大な羞恥ばかりが胸を締める。
「なんだかすっごく」
楽しくなってきたぞ、先輩がらんらんと目を輝かせて見下ろしてきた。
「おれはちっとも」
楽しくないっす、早く退いてくれと彼女に物申す。
が、それで止まってくれるなら肉食お嬢様の相手も楽だというもの。
「嫌だ」
あたしは嬌声が聞きたいんだ。必ず嬌声を聞くからな、鈴理先輩は意気込んでくる。
セックスまではいかないから嬌声を聞かせろと鈴理先輩は無茶苦茶なことを言ってくる。
「受け男だろ! 鳴いてこそ空の本領は発揮される!」
「い、嫌っす! 受け男だろうと、そこは譲れないっす! は、早く退いて下さいっ…、も、充分でしょ!」



