前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



無理だのなんだの言っても結局拒めないんだから、俺ってヘタレの受け身男なのかもしれない。

いやだからって腰を引かれる、その動作は頂けないっすけど!

バードからディープに変わる瞬間は大抵息づきの合間。

その間、鈴理先輩はふと閃いたような面持ちを作った。

あんまり好い予感じゃない。


タッチだけのキスの間際に、「空。リード権は自分にあるとさっき言っていたな?」と切り出してくる。


そういう話題を確かにデート中言ったけれど、それが…、「体勢ならば少しだけ譲ってやってもいいぞ」


……どういう意味っすか? うわっとっ、ぉおおおっ?!


視界ががくんと揺れ、俺の体勢は崩れる。

何が起こったかも分からず、ただ打ち付けた膝小僧が痛いと思案を巡らせる。

が、すぐに大混乱も大混乱。

だって俺、先輩を敷いてキスを、キスをしてっ、なにこの体勢っ、なにこの展開ぃいいいい?!


不慣れな体勢に大パニックを起す俺を面白がる先輩は、「譲るのは体勢だけだ」と言い、今度こそ深いキスを仕掛けてきた。


もう何がなんだか分からない。後頭部に手を回して舌を忍ばせてくる彼女とキスして、キスして、キスして…、呼吸が苦しくなって喉を鳴らす。

「せんぱっ」

そろそろギブアップってところで先輩がそっと唇を放し、一笑。


「たまには、此方も刺激的だろ?」