無理だのなんだの言っても結局拒めないんだから、俺ってヘタレの受け身男なのかもしれない。
いやだからって腰を引かれる、その動作は頂けないっすけど!
バードからディープに変わる瞬間は大抵息づきの合間。
その間、鈴理先輩はふと閃いたような面持ちを作った。
あんまり好い予感じゃない。
タッチだけのキスの間際に、「空。リード権は自分にあるとさっき言っていたな?」と切り出してくる。
そういう話題を確かにデート中言ったけれど、それが…、「体勢ならば少しだけ譲ってやってもいいぞ」
……どういう意味っすか? うわっとっ、ぉおおおっ?!
視界ががくんと揺れ、俺の体勢は崩れる。
何が起こったかも分からず、ただ打ち付けた膝小僧が痛いと思案を巡らせる。
が、すぐに大混乱も大混乱。
だって俺、先輩を敷いてキスを、キスをしてっ、なにこの体勢っ、なにこの展開ぃいいいい?!
不慣れな体勢に大パニックを起す俺を面白がる先輩は、「譲るのは体勢だけだ」と言い、今度こそ深いキスを仕掛けてきた。
もう何がなんだか分からない。後頭部に手を回して舌を忍ばせてくる彼女とキスして、キスして、キスして…、呼吸が苦しくなって喉を鳴らす。
「せんぱっ」
そろそろギブアップってところで先輩がそっと唇を放し、一笑。
「たまには、此方も刺激的だろ?」



