本屋の後に赴いたのはペットショップ。
目に付いたから動物を見ようと入店した。
そこで一頻り、動物を見て癒された後、お手頃のアイスクリーム店に赴き、先輩がアイスを購入。
俺は経済的な理由で買えなかったんだけど(一個230円はなぁ)、先輩はそれを見越してひとつだけアイスを買ったらしい。
なんでか?
彼女は食べあいっこをしたかったらしい。
「ストロベリー味だぞ。空」
あんたの好きな苺さんだ、とかなんとか言ってスプーンで差し出してくる先輩の目は輝いていた。ああ輝いていましたとも。
「さあ食べろ。あーんプレイだぞ!」
「ちょ、可愛らしいあーんの後にプレイなんて悍ましい単語をつけないで下さいっ。なんかヤラシイっす!」
「ほらほら」迫ってくる鈴理先輩のあーんプレイはなんとも凄みがあった。
なんでっしゃろう、ラブラブの『ラ』も垣間見えなかった。
寧ろおどろおどろしい空気と彼女の見えない目論見が交差していたような。
逃げることもできず(逃げたら後が怖い)ダマーッて彼女の差し出すアイスを食べる。
差し出されては食べる。食べる。食べ…、あれ、先輩は?
ご自分は食べないんですかーって俺は相手にクエッション。
すると彼女はおもむろに話題を切り出してきた。それはそれは真剣な眼で、キスの話題を切り出してくる。
「学生同士で交わすキスは甘酸っぱい。よく耳にする表現だな?」
「え、まあ」
「しかるべきあたしと空も学生だな?」
「そりゃあ…」
スンバラシイほどヤーな予感がした。
「あたしはな、空。味のついたキスをしてみたいのだ。
分かるか? 学生同士で交わすアッマーイそして何処か酸味のあるキスをしたい。はてさて空は今、苺さんのアイスを食べたわけだが」
「……、……、……。ゲッ、なに考えてるんっすか! 先輩っ、此処は駄目っすよ! 人通りがっ。
ほ、ほっらぁ、俺もアイスを食べさせてあげますからっ…、だから待って下さいっすっ! さっきちゅーしたじゃな「甘酸っぱいキスが欲しいんだ」ぎゃぁああっ! 鈴理先輩おじひをぉ?!!」



