ちっとも悪いことっす!
おおおぉおお恐ろしい思考になりそうなお嬢様がいて怖い、コワーイ!
そして俺、アレックス(犬)と同レベルっ…、切ナーイ!
「しょ、小説ですからね」
自由が利くのだと誤魔化し笑いを浮かべ、俺は内心で号泣した。
ケータイ小説のドチクショウ!
不健全ドチクショウ!
参考にする先輩はドドドチクショウ! と。
まだチョーカーに執着を見せる彼女だったけど、不意にジーッと俺の首筋を見て笑顔を零す。
「やっぱりやめだ」
証は既にあるからな、それが見えなくなるのは嫌だと鼻歌交じりに言い、本棚へ視線を流した。
あっさりと諦めを見せた鈴理先輩に首を傾げていた俺だったけど、何が見えなくなるのか、その言葉の意図に気付いて唸り声を上げることとなった。
「消えたらまた付けてやるぞ」
ニタッと攻め顔を見せる彼女に、俺は耳を赤く染めるしかできない。
鈴理先輩っ、それはそれで恥ずかしいからやめて下さい。
「おやん? 恥らうということは期待しているのか? 空。本当に嫌ならば赤面ではなく血の気が引くところだしな」
「いいぃいい意地悪っす。先輩!」
「当然だ。意地悪をしているのだから。最近のマイブームは意地悪かもしれん。俺様も捨てがたいんだがな」
意地悪にしろ俺様にしろSのエッセンスが入っているんで、俺的には「……」だ。
こうなれば俺も意地悪を!
……返り討ちが怖いからやめておこう。
先輩に意地悪をしたら最後、攻め魂に火がついちまうもの!
どっちにしろ俺の分は悪い。
また首鎖骨にキスマークを付けられると思うだけで顔から火が出そうになる。
い、いつか俺も付け返す!
決めた、いつか先輩に付け返…、火に油を注がないかな?
この行為。食われそうだぞ。
何をしても分が悪いと察してしまい、俺は小さく溜息をついて敗北感を味わった。
やっぱ彼女には勝てないや、精神的にも肉体的にも。



