前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



何々?


『スイング決めて甲子園へ』

ああ、野球青春物。

『さよならの風-また君に会う日まで-』

帯びには果敢無い恋と表記されているから悲恋かな?

『俺サマに愛されちゃって三千里』

……どっかで聞いたことのあるフレーズ。

『意地悪プリンス~そんな君に愛されちゃったの~』

……、どーんな君に愛されちゃったの?


『お前は俺専奴隷ちゃん③』


うげっ、えげつねぇタイトルきたよ!
しかも三巻だと? 続き物だと?

なにこれ怖い、奴隷とか怖い!

なにが怖いかってこれを参考に行動を起こすであろう先輩が怖い!

さ、さすがに奴隷とか、そんなことは思わないよな? な?! 先輩優しいものっ、きっと、きっと!


ガタブルで青褪める俺に気付いているのかいないのか、先輩はこれは面白いぞ、と頼みもせず内容を説明し始めた。
 

「この話はな。借金を背負った少女が金持ちボンクラ息子専用のメイドになる話なんだが…、このボンクラ息子が次第次第に成長していく話が微笑ましくてな。
成長と共にSっ気も発揮されていって。
相手を奴隷ちゃんと呼ぶくせに、いざとなれば名前で口説く。テクニカルな男だな、まったく」


「………」


「実はな。ネタバレになるのだが、ボンクラ息子がチョーカーを少女にプレゼントする話があるんだ」


なんでチョーカーをプレゼントしたと思う?

少女は当然飾りをプレゼントしてくれたと思ったんだが、ボンクラ息子の意図はこうだ。

“choker”は息を止める人や窒息させる人の意味合いが含まれている。

つまりチョーカーをプレゼントした奴にお前はいつだって俺に息の根を止められそうになっていることを忘れるな。

それは俺のものだという証だ、という歪んだ愛情の表れなのだよ!

奴隷奴隷と貶してはいるが心から少女を欲し、我が物にしたいと思っているのだ。


なんてことだ、そういう愛情表現もあったとは! 目からうろこだったぞ。


「チョーカーをプレゼントする。それだけ独占欲が強いと示したかったのだろうな。それは二巻の話になるのだが……、うむ、チョーカーか。
アレックスにも首輪がついているし、ここは一つ所有物を示しておくのも悪くはないような」